1プロローグ

 なあ、ねーちゃん。
 好きな人が死んだからって、どこかの怪物みたいに泣くことないと思うんだよな。え? 死んでないって? なんだよ、どっちだよ。
 まあとにかくさ、近所にまで聞こえまくってたみたいでさ、今朝ごみ出し行ったら、「昨夜、変な遠吠えしませんでした? ユウキくん大丈夫だった?」なーんて言われて、おれ、もうはずかしいったらないよ。「あはは、聞こえたかもしれませんねー、なんでしょうねぇ」ってごまかしたけど、あれ、絶対ねーちゃんのことだよな。なあ、聞いてんのかよ、ねーちゃん。
 うわ、なんだよその目。怪物かよ。それより学校は行けよ。そんは落ちこむようなことか?

 だってその好きな人って──

 マンガの登場人物だろ?